チェコ南西部のブルディ山脈で地元当局が7年間かけて計画していたダムの建設プロジェクトを、野生のビーバーが代わりに完成させました。これにより、約1億9000万円もの予算が節約になったようです。
ビーバーはダムを作る動物で、知られています。ビーバーの生態とダム建設についてまとめました。
ビーバーがダムを勝手に建設してくれた!
チェコのブルディ山脈周辺は広大な森林や高原が多数あります。しかし、軍事演習が行われていた土地でもあり、人間の作った水路によって、湿地が枯れかけてました。
そこで地元当局が7年前から湿地の回復計画を立案し、長年にわたり書類の作成や関係機関との調整に追われ、ようやく必要な許可をすべて取得し、ダム建設を開始したそうです。しかし、いざ工事を開始しようとしたところ、、、、建設予定地には、公園内にいたビーバーによってすでに建設されていました!
人間社会の面倒な手続きも、自然界のビーバーには関係がないですね。
2晩ほどあれば完成するそうです。
ちなみにビーバーの作った世界最大のダムはカナダのウッドバッファロー国立公園内にあります。
ダムは全長870mにもなり、何世代ものビーバーが時間をかけて作ったものです。今回のダムも時間と共に大きくなっていくのでしょうか?
ビーバーの生態とダム建設
ビーバーとは?
- ビーバーは水中で生活する齧歯類
- 歯はとても丈夫で、直径15㎝の木を10分ほどで倒してしまう。
- アメリカに生息する「アメリカビーバー」とヨーロッパやロシアなどに生息する「ヨーロッパビーバー」の2種がいる。今回のニュースはチェコに生息していた「ヨーロッパビーバー」。
- 齧歯目の中ではカピバラに次いで2番目に大きな動物。
- 水辺の周囲にある湿原に生息する。生活のためのダムを作ることができる。

ビーバーがダムを作る理由
①外敵から身を守るため
ビーバーは陸上での移動が遅く、オオカミなどの外敵から身を守る必要があります。ダムやダム内の巣は齧り倒した木材、泥や石、草などを材料として作成される。これによって外敵の侵入を防ぎます。また、ダムによって水位を保つことにより、泳ぎやすい環境にすることができます。ビーバーの後足には泳ぎやすいように水かきがついています。目や鼻は顔の高い位置についており、水面から顔を出して泳ぎやすいようになっています。
②食料が安定する
ビーバーはダム湖を作ることによって、食料となる草木を集め。貯蔵しやすくなる。また、水辺を広げることによって、食料である草木を育む場にもなります。
まとめ
ビーバーが生活するために作ったものが、人間の役に立つのはありがたいことです。
逆に人間が動物の生態系を壊すことがないようにしたいものですね。